日本金属工芸研究所・活動ブログ

美術館・博物館 鑑賞中の会話

美術館に行って鑑賞していると、様々な声が耳に入ってくる。

集中して観たいので出来ればそれらは聞きたくはない。

だいたいが「綺麗ぇ~」とか「色使いが独特ね」、「描くのに時間掛かるんでしょうね」、「本当に生きている人の肌みたいね」、「顔や手も細かく造ってあるわね」など、その作品そのものに対しての意見が一般的。

しかし、展覧会が混み込みで、観る事にさえ集中出来ない場合、逆に全く絵画や彫刻と関係ない会話が耳に入ってきてしまう...。

様々な内容の会話が飛び交っていますよね。

「うちの嫁が母の日に花をくれたんだけどさ、カードも付いてなかったのよ。」

(別に良いんじゃないかな。私の心の意見)

「水道工事がうるさくって、しかも工事の後始末が悪いから言ってやったのよ。」

(御互い様だってば。私の心の意見)

「先週の五反田の会は如何でした?何人集まったんです?」

(五反田の会ってどんな会なの???教えて!私の心の声)

「あら、それ良いじゃない(←スカーフを指して)御似合いよ~。」

(そうかなぁ?結び方も変だし。私の心の意見)

最近覚えているだけでもこれだけある。

自分に向かって話しかけられているんじゃないかとさえ感じるような時もある。

(これはさすがにナイか?!)

もう、お判りだろう。

すべてオバ様達の会話である。

美術館や博物館でこの手の話をするな、と感じてしまうのは、美術のファンとしては当然だと思っています。

常識の範囲での声の大きさで作品について議論したり、知識がある人に尋ねるのは大いに結構なこと。

美術に興味がある証拠だし、マナーの範囲なのだから、会話して良いと思っている。

なにより、話してはいけないルールはない。

でも、本当に美術が好きで、勉強、研究、または癒しを求めて来場した人は本当はこういう会話をするはずはない。

残念ながら日本の場合、美術に興味を持っているそぶりをし、美術館に行くことが文化人であるかのような誤解がある。

それに加え、オバ様同士の御付き合い、社交場と勘違いされているのではないか。

展覧会を目的に地方から東京に出てきている美術家、愛好家にとっては、消えてもらいたいような存在であろう。

たまに思う。

彼女達はそれをする為に美術館にわざわざ足を運んでいるのではないだろうか。

でなければ、世界中の展覧会と比べても、あんなにたくさん人が押し寄せるはずがない。

しかし、現実はこうである。

そういうオバ様達がミュージアムグッズをたくさん買ったり、いろんな所に来場して頂けるお陰で、展覧会の企画自体や美術館の経営が成り立っている事も事実。

日本の美術界を象徴しているような現象。

美術や音楽という文化事業は敷居が高いのが良いのか、低くするのが良いのかは別の話しなのでここでは書かない。

それに、ふと軽い気持ちで、またはただの付き合いで行ってみた展覧会がきっかけで、興味が沸いたり、勉強したり、または自分で作品を作ってみたくなったり。

そういう方も当然居るだろうし。

だから排除するのは良くはないのでしょう。

まあ、結局は美術鑑賞の最低限のマナーさえ守っていただければ...。

いつかそういう会話だけを書き留めて集めてみるのは、違った楽しみ方になるかも!

こんな事さえ思ってしまう中途半端な意見の自分も反省しないと・・・。




  • お取引について
  • お問合せフォーム
4つの想い

付加価値が付いた記念品は、授賞に対する重さが感じられるはず。表彰、芸術に対する弊社の想いを掲載しています。

製作風景(電気鋳造)

企画・デザインから製造、装丁まで、お客さまのご希望のものが形になるまでの一連の流れについて説明しています。

ギャラリー

オリジナル表彰盾やトロフィー、ブロンズ像、表彰記念品など、弊社自慢の納品実績を掲載しております。

事業内容

弊社では、一点一点真心を込めてレリーフ額や表彰楯、胸像や肖像レリーフなどの彫刻作品を製作しております。