日本金属工芸研究所・活動ブログ

レリーフの裏側でわかる仕事の品質

レリーフ彫刻というものは、その作品単体で飾られることはほとんどなく、多くの場合、楯板や額縁、記念プレートなどの上に取り付けられて完成します。
つまり、表側から見た美しさが全てのように思われがちですが、実はその裏側にも大切な「品質の要(かなめ)」が隠れています。

取り付けてしまえば、お客様がその裏面をご覧になることはまずありません。
しかし、見えない部分の仕上げが疎かであると、年月が経つうちに表の仕上がりにまで影響を及ぼすことがあります。
たとえば、修理や再塗装のためにレリーフを取り外す際、裏の補強が十分でなかったために歪んでいたり、ネジ山が抜けていたり──そうした例を私たちは何度も目にしてきました。

裏側をどう扱うか。
それは時間的にもコスト的にも、製作者の「仕事に対する考え方」が如実に表れる部分です。
弊社では、見えない箇所にも手を抜かず、見えないからこそ丁寧に仕上げることを信条としています。
お客様のもとに届いたその瞬間だけでなく、何か月、何年と飾られ続けることを前提にものづくりをしているのです。

だからこそ、何十年も前の作品が修理のために戻ってきたとしても、レリーフ本体はそのままで、額や台板を交換するだけで再び美しく蘇ることがほとんどです。
これは、見えない裏側の処理をしっかりと行ってきた証でもあります。

人に見られない部分こそ、手を抜かずに仕上げる。
それが弊社の方針であり、職人たちの誇りです。
仕事というものは、どんな分野でも同じかもしれません。
ひと手間、ふた手間を惜しまず加えることで、見た目の美しさだけでなく、作品としての信頼感や耐久性が生まれます。
結果として、それが「長く支持されるものづくり」につながっていくのだと感じています。

そして今も、工房ではガスバーナーの音が響いています。
職人たちはレリーフの裏面処理に集中しています。
汗を流しながらも、誰に見られるわけでもないその作業を黙々と続ける。
なぜなら、彼らは知っているからです。

その見えない努力こそが、本当の意味での「付加価値」なのだと。

このような考えをもって、一点一点、作品造りをしております。

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4つの想い

付加価値が付いた記念品は、授賞に対する重さが感じられるはず。表彰、芸術に対する弊社の想いを掲載しています。

製作風景(電気鋳造)

企画・デザインから製造、装丁まで、お客さまのご希望のものが形になるまでの一連の流れについて説明しています。

ギャラリー

オリジナル表彰盾やトロフィー、ブロンズ像、表彰記念品など、弊社自慢の納品実績を掲載しております。

事業内容

弊社では、一点一点真心を込めてレリーフ額や表彰楯、胸像や肖像レリーフなどの彫刻作品を製作しております。