電気鋳造 リアルとの差
多くのお客様が弊社へご来社された際に驚かれるのは、「電気鋳造(電鋳)」という技法が、極めて精緻かつリアルな質感を再現できる鋳造方法であるという点です。
弊社では、主にご紹介や事前の打ち合わせを通じて予約制にてご来社頂いておりますが、その際に特に関心をお持ちいただくことが多いのが、応接室に展示している「枇杷の葉」をモチーフとしたレリーフ作品です。
展示位置による視認性もありますが、実際には隣に本物の青葉を置いていなければ、本物の枯葉と見まがうほどの再現性であることに、皆様一様に驚かれます。
2025年6月現在も、弊社の敷地内の庭では枇杷の樹が育ち、葉も実も順調に大きくなってきております。
左二つが金属製 右二つが生の葉っぱ
電鋳は、葉のような繊細な自然物であっても、その微細な表情を忠実に金属へ転写できる製造技術です。
レリーフ状の原型で、かつ適切な抜き勾配が設けられていれば、理論上ほぼ100%、形状や表面のディテールを金属に置き換えることが可能です。
葉脈に至るまでそのまま写し取ることができ、むしろ意図せずとも細部まで転写されてしまうほどの精度です。
和紙などの極薄素材であっても再現可能で、寸法収縮もほとんど生じないため、手形レリーフなどの用途にも非常に適しています。
この高精度がゆえに、原型の造形精度がそのまま最終成果物に現れます。
つまり、原型製作における技術力の差異が、鋳造後に明確に表出するという特徴もございます。
金属レリーフは、その素材特性ゆえに"冷たさ"を感じさせることもありますが、弊社では化学処理による着色や仕上げ加工を施し、作品として、また商品として、より温かみや視覚的魅力が感じられるよう工夫を凝らしております。
現在も弊社では、大小さまざまな形状・デザインのレリーフが日々鋳造されております。
今後とも技術と創意工夫によって、より高品質な製品をご提供してまいります。